燃えろ! はぐれ軍団

新日本プロレスの過去の試合の映像を集めたDVD「燃えろ! 新日本プロレス」が昨年10月以来、順次発売されています。

3~4試合を収めて隔週おきに発売。現時点で9巻が発売中です。2年かけて全50巻を発売するとか。



9巻の「新日本 VS UWF 苛烈なるプライド合戦!」


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ディアゴスティーニ商法ですが、プロレスがその対象になるとは思いもよりませんでした。プロレスが歴史遺産になったということでしょうが、私みたいな年齢層の、私みたいな人間をターゲットにしているんでしょう。ちなみに出版元は集英社です。


昨年の発売時、私はまったくこのシリーズに興味が沸きませんでした。ビデオやCATVの再放送などで見慣れた有名な試合ばかりラインナップしているからです。

アントニオ猪木対ウイリエム・ルスカ、ザ・モンスターマン、アンドレ・ザ・ジャイアント対スタン・ハンセン、タイガーマスクのデビュー戦などなど。1巻の猪木対ハルク・ホーガンは私も会場で見た試合ですし。


ところがある日、書店に山積みになっているところを衝動買いしてしまいました。ああ、やっぱり私は典型的な購買層だったんですね…。認めます。

というわけで、猪木対ホーガン戦の1巻、猪木対ルスカ戦の2巻、猪木対ストロング小林戦の4巻などを所有しています。


そして、有名な試合ばかりだと偉そうなことを言っているときについに出ました!私が長年見たかった試合の一つが。


1981年10月8日、蔵前国技館。アントニオ猪木対ラッシャー木村。


8巻「猪木VS国際はぐれ軍団の仁義なき闘い!」に収録しています。


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この試合はその年の夏に国際プロレスが倒産し、わずか2週間前にはプロレス史に残る「こんばんは事件」で新日本プロレスに殴り込み(?)をかけたラッシャー木村の新日本初戦です。

このDVD、おせっかいなことに冒頭にこんばんは事件も収録しています(笑)


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こんばんは事件全文。


アナウンサー 「いよいよ10月8日、蔵前国技館におきましてアントニオ猪木選手との一騎打ちが実現することになりましたラッシャー木村選手にお話をうかがってみましょう。木村さんいよいよ実現しますが、今のお気持ちは?」

ラッシャー 「こんばんは。(空白) あのですね、10月8日の試合にはわたくしたちは国際プロレスの名誉にかけても必ず勝ってみ、みせます。またですね、その試合のために、今、わたくしたちは秩父で合宿を張って死に物狂いでトレーニン、トレーニングをやっておりますので、必ず勝てます」

アナウンサー 「そうですか」


「こんばんは」という発言以上に、私はこの噛み噛み具合が大好きです。


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以前のブログhttp://brancolog.at.webry.info/201112/article_6.htmlにも書きましたが、私は翌日のこの試合の録画放送を見られませんでした。当日は同じ蔵前国技館に全日本プロレスの「創立10周年記念特別興行」を見に行っていたからです。私の家にはまだビデオデッキがありませんでした。

外国人レスラーの引き抜きなど、新日本と全日本の営業競争はし烈を極め、興行戦争の頂点がこの両団体の蔵前国技館大会でした。そして小学6年生の私はあろうことか、全日本を選んだのです。外国人レスラーの豪華さに魅かれて。


主なカード

10月8日(木)新日本プロレス

アニマル浜口対剛竜馬
藤波辰巳対寺西勇
タイガーマスク対マスクド・ハリケーン(覆面剥ぎマッチ)
スタン・ハンセン、ハルク・ホーガン対長州力、ディノ・ブラボー
アントニオ猪木対ラッシャー木村


10月9日(金)全日本プロレス

ミル・マスカラス対マイティ井上(IWA世界ヘビー級選手権)
ドリー・ファンク・ジュニア対ブルーザー・ブロディ(インターナショナルヘビー級選手権)
リック・フレアー対ジャンボ鶴田(NWA世界ヘビー級選手権)
ジャイアント馬場、ブルーノ・サンマルチノ対タイガー・ジェット・シン、上田馬之助


全日本を見に行ってずっと後悔していました。

そして31年(!)を経てようやく猪木とラッシャーの初戦を見ることができました。


試合は猪木が流血、ロープブレークを無視して木村に腕ひしぎ逆十字をかけ続けたために反則負け。これでめでたく1ヶ月後の蔵前国技館のランバージャックデスマッチによる決着戦につながったわけです。


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血だるまの猪木は試合終了後、リング上でさかんに1ヵ月後の試合を観客にアピールしています(笑)


1ヵ月後の11月5日の試合は猪木が逆十字でTKO勝ちしました。私がリアルタイムで見た猪木の試合の中で、個人的には猪木がやりたい放題できた最も美しい試合だと思っています。


それだけにギクシャクした感じや緊迫感のある10月8日の初対決が見たかったのです。


初対決となったこの試合、今見ると感慨深い点が多々あります。

・公正を期すために木村のセコンドについた新日本所属で、元国際プロレスのストロング小林→試合後、逆上した猪木に「お前はどっちの味方なんだ?」と追及されます(笑)

・試合前にリングに上がってマイクでさかんに猪木との一騎打ちをアピールするアブドーラ・ザ・ブッチャー(若くてカッコいい!)→ディック・マードックが対戦を拒否してブッチャーはこの日は試合なし。この春に全日本から新日本に移籍してきたにもかかわらず猪木との接点がなく、翌年1月にようやく実現した猪木との一騎打ちもいまひとつ盛り上がらず。多難な新日本での船出でした。

・試合前も後もやたらマイクを持ってアピールするアニマル浜口→「目立ちやがって」と猪木が機嫌を悪くしているのが分かります(笑)

・さらに公正を期すためにサブレフェリーを務めた国際プロレスの若松市政→後の将軍KYワカマツがまじめにレフェリングしています!

などなど。このDVDシリーズでは、当時の人間模様が伝わってくる場面が多いです。


9巻には、これも有名な1982年11月4日、蔵前国技館の猪木対木村、浜口、寺西の変則タッグマッチも収録されています。


変則タッグに臨むはぐれ国際軍団の勇姿。プロレス界のダチョウ倶楽部ともいいます。


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この試合の名場面は猪木が木村に足4の字固めをかけたところ。山本小鉄を含む3人のレフェリーが浜口と寺西がリング内に入るのを入れ替わり立ち代わり阻止します。仮にリハーサルをやっていたとしても、ここまでうまくいきません。


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この試合ではリングサイドに女性客が多く(そんなに若くありませんが、失礼)、熱狂しています。収録されたどの試合も会場は超満員で、彼らの試合がどれほどお客さんを引き付けていたかが分かります。私もその一員だったわけです。我々を興奮させてくれて、当時の猪木やはぐれた人たちに感謝したいと思います。


変則タッグはこの11月の初戦が有名ですが、個人的には翌年2月の2回目の試合が見たいです。


このDVDシリーズの今後のラインナップを見る限り、あまり食指が動きません。これまでビデオであまり見られなかった試合を出して欲しいところです。

例えば、猪木対ジャック・ブリスコの賞金マッチとか、猪木対ミスターX、レフトフック・デイトン、キム・クロケイドの格闘技戦など。絶対無理でしょうね~。

この記事へのコメント

紫レガ
2018年01月17日 23:30
初めまして。
プロレスお詳しいんですね。とても勉強になりました。
ブランコ
2018年02月05日 23:52
家のパソコンが壊れていてすっかりブログを管理できていませんでした。

こんなので勉強になりますか?

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